雲草 「私、逃げ足の速さだけは天下無双の韋駄天(いだてん)足! それだけが自慢です。」
雲草、平蔵、ミツ は三人で同時に笑い声を上げる。
夜は更けて行く・・・。
雲草 「気のせいですかな? 随分と飲んだように思えますが、一向に酒が尽きませんな。」
平蔵 「この 酒瓶 は世にも珍しき 酒瓶
にて、酒が尽きる事はないのでございます。」
雲草 「ほほう。」
平蔵 「はははは。 そのように驚かれるな。 ただの戯言(ざれごと)でございます。
こんな爺(じじい)がそのような都合の良い品を持ち合わせている訳がありません。」
雲草 「これは これは。」
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